うーはここで色々かくつもり

しがない学生。二次元が理想過ぎて三次が見れない。作家になる為日々精進。

んで、今どこの時系列の話?【Dark Phoenix(邦題: X-MEN: ダーク・フェニックス)・感想】

 コンスタントに映画館行く習慣づけとして、よく行く映画館何個かの会員になっているワタシ。6本見ると1本タダとか、毎週決まった曜日が割安で映画が観れたりと、年会費のモトもすぐに取れるしチケットも前もって予約しやすいのでおトク。

 そんな感じで日々映画鑑賞をエンジョイしているわけですが、先日近所の映画館で金土日曜日と連続で会員1000円となるキャンペーンが急遽始まっていることに気付く。これは映画を観るしかない、ということで今日も予習から。

 

 今日の映画シリーズは『X-MEN』!

 X-MENといえば、Spider-ManやAvengersと同じくMARVELが作り出したスーパーヒーローシリーズの一つ。突然変異により特殊能力を獲得した新人類・ミュータント。能力を悪用するミュータントや、ミュータントを差別・排斥する人間たちと対峙するミュータントヒーローチーム・X-MENの活躍を描く。先述の通り差別されるマイノリティとしてのヒーローという姿が特徴的。

 20世紀FOXにより実写映画化。シリーズ化し10作品が制作されている。MCUが出てくるよりちょっと前は、アメコミ映画といえばスパイディとX-MENだった気がするのだが。

 X-MENシリーズに関してはなんとなくくらいしか観た記憶が無かったので、MCUも一段落したしこっちもそろそろ観ないとなと思っておりました。あ、でもDeadpoolは2作とも観たか。

 1作目『X-MEN』。

 200X年、米国議会の議題に上がっていた「ミュータント登録法案」により、ミュータントへの差別はますます激化しつつあった。

 ミュータントとなってしまったことで家を出た少女・ローグは、超人的な治癒能力とアダマンチウム合金の骨格を持つミュータント・ウルヴァリン/ローガンと出会う。行動を共にする二人を突如襲撃するミュータント・セイバートゥース。そこで二人の窮地を救ったのは「X-MEN」のサイクロップス/スコット・サマーズとストーム/オロロ・マンローであった。

 ウルヴァリンを主人公とした物語で、プロフェッサーX/チャールズ・エグゼビア率いる「X-MEN」とマグニートー/エリック・レーンシャー率いるヴィランチーム「ブラザーフッド」の対立の他に、人間たちによるミュータントへの差別も色濃く描かれる。というかミュータント差別のほうがテーマとしてはメインか。その辺りは2作目『X2(邦題: X-MEN2)』も同様。

 全体的にシリアスなストーリーが特徴のシリーズではあるのだが、中でもこの2作は暗い。人間はガンガン差別しまくるし、ミュータントも目には目をとばかりに過激。アクションシーンもやはり最近のものと比べると地味めという印象だった。ヒーロー映画としては、あくまで主人公ウルヴァリンの活躍とチャールズ対エリックの関係性がメインだったように見える。

 そして3作目『X-MEN: The Last Stand(邦題: 〜ファイナル ディシジョン)』。

 前作で示唆されていたジーン・グレイのフェニックスへの覚醒と暴走を描く。と同時にミュータント差別問題も健在。新たに開発されたミュータント能力を消失させる薬「cure」を巡って、ブラザーフッドは遂にミュータントにまで攻撃する。

 2作目までと同じく主人公はウルヴァリンで、ジーンが物語のメインでありながら恋人のスコットは最序盤で死亡。今までと比べてミュータント能力を使った戦闘描写はバリエーションが増えたが、その扱いには若干の難ありか。Deadpool2の方を先に観ていたので、ジャガーノートがホントに雑に処理されてて草。「そうは見えんが」じゃないぞ。

 ここまでで初期三部作となる。繰り返し描かれるミュータント差別の描写には人類の救いの無さを痛感させられる。

 過去に遡る『X-MEN: First Class(邦題: 〜ファースト・ジェネレーション)』ではキャストを一新。キャストとともに雰囲気もフレッシュになり、チャールズとエリックを完全にメインに置いたことでかなり観やすい映画に。ウルヴァリンは一瞬しか出ない。ミュータント同士で初めて作られる出会いと関わり合い、ミュータント間での思想の分断など、今まで前提としてありながらも描かれていなかった人間描写は印象的。ミュータント能力を活かした役割分担・協力した戦闘シーンも描かれ始め、初めて「ヒーローチームっぽい」ものが見れた気がする。

 『X-MEN: Days of Future Past(邦題: 〜フューチャー&パスト)』はAmazonPrimeで追加カットのある『The Rogue Cut』版を観ました。

 前作でキャストが一新されたと思ったら、今作では新旧キャストが一挙に登場。旧キャストの登場する2023年、ミュータント迫害が進みすぎた結果絶望的な未来を迎え、この未来を変えるためウルヴァリンを過去に送る。その過去パートで新キャストの面々が登場する。おお、キャストが二枠発生しているのをこう処理するのか!と膝を打つ。

 旧キャストのパートでは、従来通りの暗い作調が健在。というか世紀末感極まる。でもまあ、あんなに人間とミュータントの対立が酷い世界ならああなるわなあ…。対する過去パートでは、ローガンがタイムトラベルもののお約束に沿いながらチャールズ、エリックと接触していく。タイムトラベルで過去作を総括し、歴史を良い方向に変えてしまおうというストーリーは今までの作品を観ていたらそりゃ面白いに決まっている。

 そして、何より印象的なのが「クイックシルバー」の登場。MCUでも『Age of Ultron』で登場したキャラクターですが、別の俳優、別の設定で登場。というかワンダとともに本来はミュータントですからね。このクイックシルバーが過去パートでひょこっと登場。超高速移動できる能力を持て余したちょっと悪ガキな感じ…と思ってたら。

 活躍シーンが滅茶苦茶面白い! 『Time in a bottle』をバックに、まるで時間が止まったような空間で一人だけ高速で動き回る。そして子供っぽい悪戯めいたノリでピンチを解決してしまう。このシリーズ今までこんなに愉快なシーン無かっただけに、一気に上がる。初登場作品で死ぬことも無かったX-MENクイックシルバー、今後の活躍に期待。

 歴史改変後の世界を描く『X-MEN: Apocalypse』。キャストはFirst Classからの新キャスト。噂には聞いてたけど、ホントに時系列ややこしくて笑う。急にストームが新キャストで出て来たのでストームだと気付かなかった。サイロックがエロイ。

 今回のヴィランは太古のミュータント、アポカリプス。歴史が変わっただけあって、人間対ミュータントという構図は薄くなる。ヒーロー活動をするミュータントが人々に認識されたのもあり、人とミュータントの軋轢という何作もやってきながらも解決の芽が見えない問題から、ようやく一歩出られた作品。ここまでぶっ続けで観ていたので、趣の異なる作品はありがたかった。

 そしてこの作品でもクイックシルバー! 前作では少しばかりの活躍(それでもインパクトは作品一)だったのが、こっちでは全編通して物語に関わる。ホントに観てるのが楽しいキャラクター。観終わってすぐに、ダークフェニックスでも活躍してくれるといいな!ってなる。他のミュータントたちも能力の描写が派手に、そして自然になってきてて、ヒーロー映画として楽しめた。

 新キャストのジーン・グレイが真の能力の一端、フェニックスを暗示させるそれを発揮して終幕。新作に繋がってそうなストーリーだった繋がってた。ローガンいないのでスコットの立ち位置は今のところ安泰だが、新キャストのサイクロップスくんもなんか頼りないぞ…?

 

 ということでX-MEN履修しました。ウルヴァリンシリーズはおいおい観ていこうかなと。それじゃあ早速映画館へ!

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 『Dark Phoenix(邦題: X-MEN: ダーク・フェニックス)』観ました。ちなみに2D字幕とIMAX字幕で二回観た。

 父母とともに自動車に乗る少女。少女は能力を暴走させ、自動車は事故に遭い大破、少女の両親は亡くなってしまう。少女―ジーンのもとにチャールズ・エグゼビアと名乗る男が訪れる。チャールズはジーンの力について説き、ジーンを受け容れると語る。

 数十年後、宇宙に向けて発射したスペースシャトルに原因不明のトラブルが発生する。乗組員を救助するため、チャールズ・エグゼビア/プロフェッサーXはハンク・マッコイ/ビーストやレイヴン・ダークホルム/ミスティークらX-MENを出動させる。宇宙での任務でありながらも、スコット・サマーズ/サイクロップスやカート・ワグナー/ナイトクローラーなど各々の能力で協力して、乗組員全員を救出したかに思われた。しかし、船長が未だエアロックに取り残されていることが判明する。船長を救うため、ジーン・グレイはシャトルの中でサイコキネシスを駆使していると、シャトルに不調をきたしていた謎のエネルギーがジーンを包む。

  一日ずっとX-MENシリーズ観てて、頭の中X-MENでいっぱいにした状態で観た感想だということに留意して頂いたところで。

 クイックシルバー全然活躍しないやん!! わかる、わかるよ能力は強すぎる(ように今まで描いてしまった)し能力使ってるシーンが楽しすぎて他のキャラ食っちゃうし。でも、折角X-MEN入りしたんだから観たかったなー! 一応出てくるしちゃんと活躍はありますけどね。

 フェニックスを題材にした映画化は二度目ということで、どういう感じにしてくるんだろうという部分がありましたが、The last standとは見事に違う話で「もう観た」感はない。ローガンいないしね。だからスコットにちゃんと出番がある! そしてジーンのことになるとやらかすチャールズ。まあ今回は結構しっかり仲間から非難されて凹んでたんで良いんじゃないですかね。それでちゃんと前線に出てくるし。

 事前に原作のダークフェニックスの話を調べてから観たのもあって、新たに登場したディバリ人やその一人ヴークもすっと入ってきた。ダークフェニックスが力を制御できずにディバリの星を破壊した、という原作の流れを、ディバリを破壊したエネルギーがフェニックスフォースでこれをジーンが吸い取ってしまうという今作の冒頭に入れ替えてみたりと、そういう試行錯誤が見える。

 今回の敵がそのディバリ人、不気味で結構悪い宇宙人で、いつもと違い人間やミュータントじゃないわけで、躊躇なく戦えるからか皆しっかり活躍していたのが良い。ビーストなんかホントにビーストらしい暴れっぷり。マグニートーは今回バリエーション豊かな能力の使い方を見せていて、その時のジェスチャーがキレッキレで真似したくなる。空中に銃並べて一斉掃射とかみんな好きでしょぼくも好き。ストームも今回強い。ナイトクローラー覚悟完了するときの表情ホントに好きなのだ。電車で戦うシーンホント何度でも観れる。

 今回特に協力するシーンが多いの良いですよね、プロフェッサーXも含めて。

 X-MEN一気見してから観て思ったのが、メッチャ優しい世界になったな…って。ミュータントへの差別がやっと和らいできて、人命救助に向かうX-MENを世界中で見守るシーンまである。ジーンがやらかしてもなお、「ミュータントの一時的な拘束」が提案されるくらい…くらいと言っていいかわかんないですけど、一昔前だったらまたすぐ軍が殺しに来てたまである。

 X-MEN楽しい!って状態で観たのもあって、かなり楽しめた。そうしたら今作のIMAXが2Dなことに気付いて、空いた時間にIMAXで観た。

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最近映画のリピートが多いですわ

 2回目なので(日にち開けたのもあって)結構冷静に観たんですけど、この映画単体で観ると割と普通…?ディバリ人の件とか全然説明ないのでこの映画だけだと(というか映画シリーズ追ってても)唐突でわけわかんなくなりそうだし。ただでさえ時系列ややこしいんだからさあ!

 でも、戦闘シーンは面白かったのでいいや! IMAXだとやっぱり迫力増してたし。電車のシーンだけで元取れるぞ。作中ほとんどで流れてる今作のメインテーマ?も作品の雰囲気の流れを保っている。

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IMAXの入場特典でもらいました

 今回は最後のX-MENということでいいタイミングにX-MEN履修できました。FOXがディズニーに買収されたことでMCU入りする可能性が濃厚とされていますが、とても楽しみ。今のシリーズの良さを保ったまま、MARVEL STUDIOSのエンタメ的な緻密さを取り込めるとイイですね。

 今これ書いてる段階で、更にウルヴァリン2作目まで観ました。LOGANまで観たら感想書くかも。

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ウェイド出てくるたびに、Deadpoolでのオマージュ思い出して笑っちゃうからダメ

 というか明日はいよいよ『Spider-Man: Far From Home』公開日! 日本が最速と言う事で金曜0時の回の席を取ったので、映画館にぶち込まれる楽しみにしておいてください!いいですね!

まだ終わらない~鼓膜を揺らせ【ガールズ&パンツァー 最終章 第2話・感想】

 ヒャッホォォウ! 観る映画が多いぜぇぇぇ!!

 ということで立て続けに映画鑑賞感想投稿。今日の映画は続編映画! ですが今回のは既に履修済みなので、過去作の感想は書かない。だけど過去作の視聴前提の作品なので、観よう! ガルパンはいいぞ

 Amazon Primeでも全部観られるし、Netflixでも劇場版までは観られる。かくいうボクも、友人に爆音上映に連れられて劇場版を観た後に本編観たので。

 というか、メチャクチャキャラクター多いし、ファンアート見た感じどのキャラも個性が濃いので25話くらい長くやったアニメなのかと思ってたら、12話しかなくてビックリした初視聴時。OVAや劇場版、色々なメディアミックスがあるとはいえ、ファンの熱も段違いですよねガルパン

 ともあれ、1年以上待ってようやく次の作品が来たので観た。

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 『ガールズ&パンツァー 最終章 第2話』観ました。

 戦車道全国高校生大会優勝校として、そして前生徒会広報・河嶋桃の留年大学進学危機を打破するために、西住みほら大洗女子学園が挑む冬季無限軌道杯。その一回戦の対戦相手・BC自由学園は受験入学した外部生と内部進学であるエスカレーター組の対立から、連携に問題があると見做されていた。しかしこの対立こそがBC自由学園の偽装戦略であり、大洗女子学園は窮地に陥てしまう。

 という、最終章第1話のそのまま続きなので1話観よう。というか劇場公開から1年以上経ってるのもあって既に配信されてるわ。アマプラでも。

 2話冒頭も配信中。

  時間かかった作品だけあってやっぱり作画は凄い、というか細かい。子供がいっぱい出てくるシーンで必要以上に動かしてて、手抜かないなあって。ガルパンは戦車も人も崩すことなく描いてて、キャラ人気が出るのも分かる。

 思わぬ強敵だったBC自由学園に対し、みほは逆転の策を講じる。一方、2回戦の相手は今までも登場していたあの学校知波単学園*1。それが今回(自らに)ロジカルな戦法バラエティ溢れる突撃戦法を用いるなどかなり成長している。単純すぎるww というか、今回の試合2つとも戦術がどこか可愛らしくて笑ってしまった。

 そのストーリーなんですけど、この最終章は全部完成して一気見するときが一番楽しめる気がしてきた。というのも、ストーリーの進み方がテレビ放送や短いスパンでお出しされるアニメのそれで、要は良いところで終わるんですけど、「1時間の尺」で「1年おきという頻度」で観るスタイルにはちょっと合ってないかなと思えて。試合の決し方が今回のようにすぐ一転攻勢する感じなら、次回に持ち越して期待を引っ張る続け方よりも、一試合一話でまとめた方が特に今回第2話はもっと盛り上がった気がする。なまじ面白いだけに。もしかしたら、第3話では2回戦の相手が結構粘るかもしれないけど。何より続きがまた1年後と思うと…。

 まあまだ完結していない章なので、いずれにしても最終話公開後にどうなってるかが全てですけどね。

 というか、劇場作品は今まで全部毎回爆音上映で観てきたので、今回普通の映画館で観るとかなり物足りない…OPのGrand symphonyからもう音響ガンガン来る奴がほしい…。きっと立川シネマシティで2回目観る気がする。

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入場特典もらいました

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島田フミカネ氏が描くBC自由学園の安藤と押田

 刹那とグラハムではない。島田フミカネ絵良いよね…前作の貰えなくて、貰った友人の見せてもらってメチャクチャ羨ましかったの思い出したヨ。

 

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 ということで、早速立川シネマシティで爆音上映にも行ってきました。

 いやあ、やっぱこれだわ!OPのイントロで座席が振動しているのを感じて、「来た!コレコレ!」って。大砲の着弾音で鼓膜が許容範囲ギリギリの具合で揺れる揺れる。ストーリーがどこまで進むのか分かってたのもあって、普通の劇場より1.5倍面白かった!

 ガルパンは爆音で観よう!

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2週目特典はレオポンのポルシェティーガーでした

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 …ともあれ早く続きが観たい。全6話あるんでしょう? こんなに待ってたらワタシおばあちゃんになっちゃいますよ。

 

 この感じだと、3回戦の相手は継続高校ですかね?

*1:一応ネタバレ反転

美と強さ【Padmaavat(邦題: パドマーワト 女神の誕生)・感想】

 毎週金曜日は映画を観るワタシきんぱつびしょうじょですが、今日はX-MEN新作公開日! 早速観たいのですが、X-MENシリーズはあまり追えていない…。でもまあ、20作もあったMCUとは違ってX-MENは半分の10作品しかないので、すぐに追いつくでしょう。全部観てから観ます。

 ところで、日本でもヒットした『バーフバリ』の効果があってか、近所の映画館でもちょくちょくインド映画を上映していたりする。ボクもバーフバリ観て面白かったので、他のインド映画も観てみたりしている。インド映画の特徴として有名な豪奢な歌唱・舞踊シーンに加えて、ヒンドゥーの文化的な描写、そして正しき人の精神的な強さが、観ているこっちまで快活にしてくれて良い。2月には『Bajrangi Bhaijaan』を観ました。 

  X-MENはまだちょっと観られないし今日は何を観ようか…そんなときに、新たなインド映画がもうすぐ公開終了になっていたので、今日はそちらを。

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 『Padmaavat(邦題: パドマーワト 女神の誕生)』観ました。

 インドでは2018年の公開。Bajrangiに比べると最近の作品なんですね。

 13世紀末のアフガニスタンから物語は始まる。ハルジー族のアラーウッディーンは族長の娘に婿入りすることを許され、部族は宴を催した。しかし、その最中でもアラーウッディーンは他の女と密通し、それを咎めに来た族長の側近を密かに刺殺する。王朝の転覆を目論むハルジー族の中で、アラーウッディーンもまた野望に燃えていた。

 一方そのころ、シンガール王国の王女・パドマーワティは森での狩りの途中、誤って一人の男性の肩を弓で射てしまう。この男はメーワール王国の王・ラタン・シン。ラタン・シンと彼を介抱するパドマーワティは恋に落ち、二人は連れ立ってメーワール王国へと帰る。王妃となったパドマーワティの、宝の如き美しさをアラーウッディーンは未だ知らずにいた。

 叙事詩『Padmavat』を原作にした、雰囲気としてはまさにバーフバリのものに近い感じで観られる物語。主人公の王妃パドマーワティを中心に、その美と誇りの強さを描いている。その点では男性英雄譚的なバーフバリとは異なりますね。

 今まで観たインド映画に比べると、あんまり歌わないし踊らない。いや歌って踊るシーンありましたけどね。悪役的に描写されているアラーウッディーンですらウッキウキで踊ってたし。踊る姿もまた、とにかくパドマーワティを華麗に映す。

 作中、パドマーワティはその美の伝聞からアラーウッディーンを執着させ、ハルジー朝の侵略によりメーワール王国を国難に陥れてしまう。一般的な傾国の美女とは異なる経緯、パドマーワティに非は一つもない無常感。その中でもパドマーワティは果敢と危機に立ち向かい、打ち克つことすら敵う。戦いの最後まで、最期の瞬間までパドマーワティは美しく在り続ける。この最期のシーンが物議を醸したらしい(当該シーンについては冒頭に注意喚起がある)が、その善悪はともあれ美しいものは美しいのだから仕方がない。その美貌を、あれだけ欲したアラーウッディーンが一目することもできず終わる、というのもパドマーワティの強さの証明と言うべきか。

 他国との争い・対立が絡むインド映画を数本観て、インドにある(主に宗教的な)その辺りの感覚がなんとなく見えて来たところがある。と思いつつ、この作品について調べてたんですけど、やはり描写についてひと悶着あった映画なんですね、ヒンドゥーからもイスラームからも。作品冒頭には、作品の描写が実際の史実とは異なること、そして宗教的なものを主張するものではないことを喚起する注意書きが流れました。地続きで隣り合う他文化、他宗教に対しての不安や、それに呼応して起こる相手からの反発、そういったものは日本では真に迫ったものとしては感じにくいので、物語という形で知れるのは貴重な機会であるし、誤って解することの無いようにより沢山触れていかなければなりませんね。

 凄いお金の掛かった映画で、実はインドではバーフバリ以上に売れている映画らしいので、あと残りわずかな上映期間の間に観ておくのも悪くない。パドマーワティ役のディーピカー・パードゥコーン、凄い美人だし。なんかAmazon Prime Videoがお金出してるみたいなので、そのうち配信されるかもしれませんね。アマプラといえばバーフバリのアニメ、面白いんかな?

 

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プリズマファンタズム観るためだけに外出した事実がアレでスイーツを食べた昨日

プリズマ☆ワカメ【Fate/kaleid liner Prisma☆Illya プリズマ☆ファンタズム・感想】

 最近は主にFate/Grand Orderでイケイケドンドンな型月ことTYPE-MOONFGOのほうは先日ようやくメインシナリオの続きが実装されましたが、FGO以外にもHeaven's Feel映画化やロード・エルメロイⅡ世の事件簿のアニメ化など、気付けば色々な作品が現在進行系だったりする。

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インド異聞帯面白かった

 ということで今日はそのシリーズの一つ、プリズマ☆イリヤから。というか何だこの企画は。 

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 『Fate/kaleid liner Prisma☆Illya プリズマ☆ファンタズム』観ました。

 タイトルを見て分かる通り、かつて型月10周年で発表されたお祭り作品「Carnival Fantasm」をプリヤ単体でやってやろうというOVA作品。の劇場上映。カーニバル・ファンタズムは凄い気合入ってましたからね~。作品間でのクロスオーバーというのも、エイプリルフール企画以外だとこの辺りから壁が薄くなった気がする。いやそれ以前から無いことはなかったけど。

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Carnival Fantasmの原作・TAKE MOON

 八極拳を操る聖堂教会の神父で激辛麻婆ラーメンしか出さない普通のラーメン屋の店主・言峰綺礼のもとに、一本の電話がかかる。それは開宴の合図であった。ラーメン屋は全ての次元に門戸を開き、何でもありの祭りが始まる。

 いや、これあらすじ要る?

 型月お馴染みの悪ノリ作品。良くも悪くも同人サークル気質なのが型月のギャグ作品の特徴ですが、これもFGOのイベントシナリオで頻繁に見られるようになった現状でどうお出ししてくるか。

 プリヤのカニファンということで、こちらも複数の小パート、コーナーで構成。色んなキャラに麻婆ラーメン食わせたり、缶蹴りやったり…。中でも、雪下の誓いで登場したアサシン慎二(桜の兄)を真人間に更生させるというパートが連続してある。プリヤキャラ総出演ということで、こんないっぱいキャラいたんだなあ…。

 プリヤは型月における第二魔法「平行世界の運営」に大きく関わる作品のため、なんでもあり空間もその辺で説明付け。そういえばカニファンもメインの舞台・アーネンエルベが第二魔法の術者・宝石翁と関わりあったっけ。

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雪下の誓いも当時観に行きました

 というか、ずっと慎二のことイジってて草。カニファンではランサーイジリが凄かったけど、こっちでは慎二、いやカニファンでも割と慎二痛い目に遭ってたな。HFの影響か桜だけメチャクチャサービスカットがあるし、とにかく慎二をボコボコにする。雪下の誓いで少し話題になったあの台詞「射精の百倍気持ちよかったぜ!」もとにかくネタにする。正直慎二のパートが一番笑えた。

 うん、それ以外がね…。全編おふざけなんですけど、笑いどころにもキレがないし、くどいし、テンポが悪いのでダレる。他の型月作品のパロディとかもやったりするんですけど、全部作品内でツッコミ入れちゃうんで、ファンの側に「このネタわかるわかる」もさせてくれない。特に終盤。缶蹴り全然おもしろくなくて、これいつ終わるんだろうっていう呆れと、まさかこのパートで終わりなんじゃないかという不安が付きまとう。ルールブレイカーのシーンだけは笑ったけど。

 こんな作品で寄り道してないで、プリヤ本編どんどんアニメ化して♡ 本編まだまだ佳境だし、プリヤのシリアス本当に面白いんだから…。

 今をときめく型月の映画作品にしてはあまり人が入っていない、なのに入場特典が貰えなかった…。HFのときも全然回収できなかったし、なんだかなあ…。

 

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LB No.4、最近来てくれたラーマきゅん大活躍で楽しかった