うーはここで色々かくつもり

しがない学生。二次元が理想過ぎて三次が見れない。作家になる為日々精進。

虹の彼方のその先へ【機動戦士ガンダムNT・感想】

 季節は駆け抜ける様に巡り、気付けば師走の候。日は落ち風は冷え、人々は忙しなくなる頃合。簡単に言えばもう12月なんですけど…早すぎなんですけど…。

 芸術の秋はもう終わってしまいましたが、今週も映画を観に行きました。

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 「機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)」、これだけは始まってすぐに観たかった。

 機動戦士ガンダムNTはUCの後日譚、続編として銘打たれた映画作品。

 ガンダムUCに関しては最終エピソードの際に色々描いてます。

 今作は「UC NexT 0100 PROJECT」として発表された新企画の1作目です。他に富野監督の小説を原作とした「閃光のハサウェイ」、「UC2」が予定されています。プロジェクト名の通り、ガンダムUC以後からガンダムF91までの「宇宙世紀0100年」前後の歴史を描くものとなるようです。

 というわけでその1作目、ガンダムNT、新企画の掴みは如何なるものか。

 

 入場特典の複製原画。劇場公開作品の恒例になりましたね。

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 パンフレットも買いました。

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 というわけで感想。

 実は予告や主人公機のナラティブガンダムを見て「トワイライトアクシズ」っぽいなーって思ってた部分があったんですね。主に雰囲気が。トワイライトアクシズは劇場公開したのを観たのですが、同時上映のサンダーボルトが面白かった分ちょっと薄味だったかなっていう印象があったんですね。

 トワイライトアクシズのこと書きそびれてたので書きますと、地球から離れたアクシズの残骸とシャアの残した機体っていう題材は良かったと思うんですけど、物語としては宣伝で分かる事以上の内容が無かったように見えたんですよね。

 なんですけど、ガンダムNT、観てみればそれは全くの杞憂だった。

 不安としてOVA7作で描いたUCの続編を劇場作品サイズでやるっていう点があったんですけど、むしろこのサイズで上手くまとめて来たなという印象がありました。UC自体が1st、Z、ZZ、CCAやその他の宇宙世紀作品を踏まえて、色んな要素を拾ってきてリビルドしたところがあったと思うんですけど、同じ手法をこのNTでも使って来てる。NTでは主人公たちの生涯が一年戦争グリプス戦役、そしてラプラス事件で節目節目を迎えていて、彼らの生涯を回想する際に過去作を思い出させる、変な言い方をすると「ガノタを喜ばせる」やり方になってるんですよね。

 そして、この作品は過去作を思い出させると同時に今後の作品に繋がるものにもなっている。これはUC NexT 0100 PROJECTの嚆矢ですから当然と言えば当然なんですが、時系列において前にガンダムUCがあって後にガンダムF91がある。でもF91よりもUCが後に制作されたので、サイコフレームなどのキーアイテムやミネバのような重要人物が宙ぶらりんのままなわけです。ここの溝をこのプロジェクトで埋めてやる、あわよくばこの「宇宙世紀」という大河を今まで曖昧だったニュータイプ観に挑戦することで体系化してみせようという意欲を感じた。

 ニュータイプ観に手を付ける事に関しては忌避感を覚えるファンもいると思いますが、後に続いたクリエイターが固定観念に挑んで新しいものを創り出すのは良い事だと思うんですよね。だからガンダムXも好き。

 何より、今まで一年戦争のことばかりやってきたガンダム界隈が宇宙世紀100年付近、そしてF91Vガンダムの先にまで目を向け始めたというのが嬉しいわけです。

 「ガンダムNT」という一つの映画作品としても面白かった。この作品は3人の「奇蹟の子供たち」を軸に展開していくのだが、この作品内で彼らの半生を描き、そして宇宙世紀ガンダム共通のテーマである「分かり合うこと」、「如何にすれば人間は分かり合えるか」についてしっかり描いている。ニュータイプをテーマにしているだけあって、UC以上に富野作品の演出に似せた描き方も多くて、ラストには涙腺が緩んだ。MS戦闘もUC以来のモビルスーツ運動会の系譜を引いていて満足。ナラティブ、あの短い尺で上手く換装とそれによる印象の変化を利用していて上手い。

 

 その余韻で宇宙世紀マテリアルも買ってしまった。

 

 ここからネタバレっぽい話。

 

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 何よりUCで覚醒したユニコーンガンダムの行方を描いてくれたのが嬉しい。ユニコーンバンシィの起こした奇蹟やラプラスの箱の開示がどう伝えられているか、ユニコーンがその後どうなったか、これに触れずしてUCの続編とは言えませんもんね!シナンジュ・スタインやユニコーン三号機・フェネクスなどUC外伝にて登場した要素も多く回収した作品でした。

 今作で袖付き残党を裏で支援している人物として登場したモナハン・バハロはジオン共和国の大臣。UCのOVAには登場しませんでしたが、原作小説では共和国軍を派遣したりフロンタルを用意し袖付きを支援する人物として登場します。一年戦争期のかのダルシア・バハロ首相の息子。

 人物でいえば、予告で映っていたミネバだけでなくガランシェール隊やタクヤ、そしてバナージが出て来たのも嬉しかった。彼らが何を使命に生きているか、作品内でさらっと言及されたこの部分が、今後の続編に繋がりそうです。

 ネオジオングサイコフレーム共鳴のシーン、UCの比じゃないくらいメッチャイデオンソードのSE出てましたね。

  あとエリク中尉すこ。可哀想なのも良い。

 

 そういえば閃光のハサウェイの予告も公開されましたね。過去にも様々なゲーム作品にこの青年ハサウェイは登場していますが、どの過去作よりも「ブライトっぽさ」が滲んでてちょっと笑った。特に目の辺り。作品自体は笑えない内容なんですけどね…。

 

00もですが周年に際して色々と新しい展開を見せてくれるのはファンとして嬉しいものです。

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