うーはここで色々かくつもり

しがない学生。二次元が理想過ぎて三次が見れない。作家になる為日々精進。

飛び地じゃない【翔んで埼玉・感想】

 どうも、生まれも育ちも23区の東京都民です。

 グローバリゼーションが進む今日、全国各地から様々な人が集い来る首都東京の学校、会社、その他の集まりで、誰でもできる容易な会話の題となることの多いのが「出身地」。互いの故郷を比較し、先入観やイメージで批評して各々の自尊心や帰属意識を高める営み。殊に東京では、「関東人であるか否か」「東京都民であるか否か」「23区民であるか否か」「都心部の市民であるか否か」は、ある種その空間でのカーストを決定し、NOTに分類される多くの人間は残された少数を羨望の目で見る…更に言えば逆のパターンもあり、例えば「西東京市は東京じゃない」だとか「池袋は埼玉の領土」だとか「練馬は実質埼玉」だとか(練馬区はれっきとした東京23区の一つで埼玉扱いは誤りでしかないのだが)、東京の中でさえ人々は争い合う。しょうもない話題ではありますが、それでも人々は東京に住まいを設けようとするのです。

 センシティブな民族問題、センセーションな格付け争いをテーマに、本日は社会の勉強の時間です。

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 「翔んで埼玉」観ました。原作の漫画が少し前に話題になってましたね。
 いやさあ、こんなの面白いに決まってるじゃん!ww 予告見てああ面白そうだなと思ってたのですが、きっと長い事上映してるだろうし他の観たい映画観ていって、見るのが無くなったら観ようと取っておいてました。ちょうど大学の教授がこの映画の事を珍しく楽しそうに喋ってたのもあって。

 埼玉県。知っての通り「ださいたま」だの「海無し県」などと揶揄されるこの県には、ある都市伝説が存在した。19××年、当時の埼玉は東京から酷い差別を受けており、埼玉県民は通行手形が無ければ都内に入ることすらできなかった。そんな時代の東京の学校である白鵬堂学院にアメリカ帰りの美男子、麻美麗が入学する。学院の生徒会長にして都知事の息子である壇ノ浦百美は彼を快く思わないでいたが、それを意にも介さない麗の華麗な立ち振る舞いにいつしか恋心が芽生える。だがしかし、実は麻美麗は「埼玉解放戦線」のメンバーであった…!

 作中、事あるごとに埼玉(と千葉)(とついでに茨城群馬栃木)がディスられまくるんですが、あるある過ぎてずっと笑ってた気がする。劇場も笑いが絶えなかったし。こんな言いたい放題言われる映画を許しちゃう埼玉県民、懐が深いなあ…。

 学院のランク分け、練馬区民はどのクラスなんですかね…!? きっとD組くらいには入ってますよね23区だし…。「埼玉県民にはその辺の草でも食わせておけ!」って言われて酷い社会だなあなんて思ってたら、埼玉県民もホントに草食おうとした辺りとか草。狭山市狭山茶を推しなさいよ狭山茶を池袋に潜伏する埼玉県民とか、海への熱望を拭いきれない埼玉県民とか、埼玉を潰そうとする千葉県民とか、ステレオタイプなイメージを面白おかしく弄るの、そしてこういうのが楽しく観られるの、まさに自由な表現でよろしい。

 (百美役が女優の二階堂ふみだとはいえ)やってることがボーイズラブなのも面白いですね。男同士のやけに濃厚なキスシーンとかありましたけど、埼玉いじりが衝撃強くて他の部分は凄いフラットに観られる。

 物語としては埼玉いじりに留まらず、ちゃんと納得行く展開に落としたのも良い。いや笑ったけど。

 そして、途中で芸人のはなわが埼玉ポーズしてる写真が写ったので「佐賀は?」と思ったら主題歌はなわだったのかよwww しかもこの主題歌がまた面白い。

 最初から最後まで笑って観られる映画でした。日本人なら広く分かるであろう映画なのが強い。で、ホントに埼玉県民も笑って観られるんですよね…?

 

 最後に、練馬区は東京だぞ!

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蒼銀、他の型月作品に無い美の表現がなかなかに良い

 平成最後の4月13日おめでとう。そういえば、狭山茶って半分以上入間市で作られてるらしいですよ。