うーはここで色々かくつもり

しがない学生。二次元が理想過ぎて三次が見れない。作家になる為日々精進。

怪獣映画を観よう!【Godzilla: King of the Monsters・感想】

 映画というのはそれ単体の面白さだけでなく、作品の持つ系譜が綿々と継がれていくことで文化や伝統、お約束、そしてそれらをひたすらに求め続けるファンを形成していく。

 毎週金曜日は映画の日! ということで例によって映画を観たのですが、少しばかり「入門」に時間がかかったので日が空いてしまいました。一日中そのシリーズに釘付けになるくらい夢中になってたわけですが…。

 ともあれ、今回観たのはあの話題作。

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 『Godzilla: King of the Monsters』観ました。Legendary Pictures制作のゴジラ2作目、怪獣作品のクロスオーバーシリーズ・モンスターバースとしては3作目の作品。

 そう、3作目なんですねコレ! キングコングと同一の世界観だなんて観る直前に知った。髑髏島の巨神、この間の地上波放送で観ておけばよかった…。

 というか、ワタシ、ゴジラに関しては無知も無知で、映画館でちゃんと鑑賞したのはシンゴジラだけで、あとは幼少期なぜか家にゴジハムくんのストラップがあったくらい。前作ゴジラに関しても断片的にしか観ていない、そんな具合で観た感想となっております。前述の通り、後にゴジラ入門いたしましたが。

 サンフランシスコでのゴジラとムートーの決戦、その中でマーク、エマ・ラッセル夫妻は息子のアンドリューを失った。あれから5年、怪獣特別研究機関MONARCHに属するエマは雲南の基地で、娘のマディソンと共にモスラの幼虫との交信を行っていた。だが、そこへ環境テロリストが襲撃する。一方、モナークを離れエマとも離婚していたマークの許に、モナーク生物学者・芹沢猪四郎が訪れる。モナークの海中基地に連れられたマークがエマとマディソンが誘拐されたことを告げられる中、そこに突如ゴジラが現れる。

 ざっとあらすじを書きましたが、正直ストーリーはあってないような映画。そこは魅力じゃない。物語のきっかけとして敵側の狂人がいて、物語の起爆剤として味方側の狂人がいるくらいで、基本的には物語を進めて行くのは人間でなく怪獣。それはそうとして敵側の狂人にはドン引きしたけど。スクリーンの中の登場人物たちも唖然としてたし。それでも物語の進行の妨害になるようなことはしなかったのでOKです。その分娘が凄く行動的だったし。

 渡辺謙演じる芹沢猪四郎博士、今作凄い出番が多い。頑なな「ゴジラ」の発音、度々発せられる日本語、「さらば友よ」、制作にも渡辺謙自身にもこだわりというか愛を感じる。

 前作の水爆実験の設定にも言えることなのですが、ゴジラ反核映画として重要視する人にとっては核の扱いは良くないものに映るのかなとも思った。ゴジラを回復させるためとはいえ、芹沢博士に核爆弾を起爆させたり。簡単に言えば「アメリカナイズされている」のですが、それよりも作中で芹沢博士が述べている「悪魔につけられた傷は、悪魔を許すことで癒やされる」がこの映画のスタンスなのかなと。

 渡辺謙が活躍してたのでボクは良いと思いますけどね!

 

 さて、それでは怪獣映画の感想を。先にも述べた通り、とにかく怪獣が話を進めて行く。人々がたらたら物語を進めていると急にやってきてビックリさせて、人間どもを怪獣の対処へと方向付ける。

 ラドン、メッチャ人間殺してんな思ったけど、ギドラに負けてからはもう完全に強い者にヘコヘコで笑う。後で他の作品観て分かったんですけど、なるほどラドンはそういうキャラクターの怪獣なのか。別に三大怪獣観たことあったわけでもないんですが、なんとなく予告観てラドンゴジラのギドラとの対決に協力すると思ってた。なのにアレで草。

 モスラ、演出がとにかく美しい。ストーリー的な味の薄い本作ではあるけれど、モスラの羽化までの流れは丁寧に溜めが為されてた印象。ゴジラに無知だったけどモスラは知ってたヨ。

 ゴジラ、「怪獣王」の題に恥じない強さ。モナークの人々がとにかくゴジラを揚げるので映画全体がゴジラ万歳の一色に染まっていく。Long live the king. 全てを破壊した後、唯一の主として大地に君臨する姿よ。

 ギドラ、登場からとにかく殺しまくる。破壊の限りを尽くす怪獣なのだが、3つの首に独立した性格、キャラクターがあってどこかコミカルな部分もある。ゴジラの青白い光とギドラの稲妻の黄色の対比は見所の一つ。

 どこが面白いかと聞かれるとなかなか形容の難しい作品ではありますが、怪獣を描くという意志を強く感じる、超豪華な怪獣映画という感じの映画だったと思います。あ、エンドロール後に一幕あるぞ!

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 ということで鑑賞後に怪獣映画の文脈、そしてゴジラとギドラを履修していこうではないか。

 前作。ちゃんと観たことはなかったので。割と観てなくてもKOM分かる内容だったけど。人間の話が多い(比較対象が極端)。今後続いていくシリーズなので、世界観を理解する意味で観ておいて損はなかった、そんな印象。

 怪獣映画を知るということで日本特撮も観る。ゴジラモスララドンが登場し、キングギドラと対決する、KOMの基となっている映画。怪獣たちのキャラクター性みたいなのが分かる作品。怪獣がなんか可愛い。モスラが羽化しない。ラドンはそうだそうだと言う。

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 こちらもゴジラモスラキングギドラの登場する平成映画。この作品はモスラ、ギドラが日本を守るためにゴジラと対峙するという内容。監督がガメラシリーズの監督であるため、ギドラの設定などに類似性が見られる。モンスターバースやKOMがこの作品の影響を強く受けていると聞いたために観ました。ゴジラがつよい。かしこい。でもゴジラがかわいくない。

 『GODZILLA 怪獣惑星

 いい感じにゴジラが観れてるので流れでアニゴジも観る。本当は劇場上映時に観るつもりだった。1章があまりにも面白い。テンポの良い展開、尺の長い戦闘シーン、そして衝撃的な掴みと三部作の1作目としてはこの上ない出来。正直期待値上がり過ぎた。

 『GODZILLA 決戦機動増殖都市

 続く2章、前回からの盛り上がりを引き継いで続くメカゴジラシティ開発までの導入、ここは良かった…! SF感増してきてメッチャワクワクする。なのに展開のさせ方が「ここで仲間内の不和」だなんて…。ハルオがとりあえず場を宥めて始まった戦闘シーンも相変わらず良い、なのに結末のさせ方が勿体ない。中編だし下手に物語を締められないのはあるんだろうけどなあ。2章は異星人の一つたるビルサルドにスポットを当てているが、価値観の違いによる衝突、敵対に今そこで揉める⁉感が否めない。そこに関しては2、3章続いてそんな感じなんだけど。

 ヒロイン、マイナとミアナが登場。

 『GODZILLA 星を喰う者

 一気に特色が変わる3章。もう一つの異星人エクシフによりもたらされる、「文明の果てが怪獣を産む」「怪獣により破滅した世界をギドラが無に帰す」といった脚本の虚淵玄らしい展開、設定が開示されるも、ハルオの決断によりその繰り返しが断たれる。「命を繋ぐ」といった主題や、「怪獣に慌てふためくしかない人間」を「人のままでは怪獣は倒せない」と言い換えてストーリーに牽引する手際は鮮やか。マイナとミアナがかわいいです。

 アニゴジ全体の感想としては、1、2章に見られる戦闘シーンは文句のつけようがないし、3章の帰結によりストーリーも完成されたものとなっている。だが、ボク自身ゴジラに対してフラットな目線で見られているからこう見えているのであって、従来のゴジラを期待する人々からの反応は良くないだろうなという印象でした。

 

 ということで、1日ゴジラ漬けをしてゴジラ・キングオブモンスターズ楽しみました。時間があればIMAXでもう一度…。あとはキングコング観て、次のゴジラVSコングに備えたい。

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