うーはここで色々かくつもり

しがない学生。二次元が理想過ぎて三次が見れない。作家になる為日々精進。

真新しい自由【Aladdin・感想】

 最近TVや映画館でDisney DELUXEのCMをよく観る。エンドゲーム公開前こそもっとバンバン広告うつべきだったのでは? エンドゲームももうすぐ上映終わっちゃうし。

 MCU目当てでDisney DELUXEとりあえず無料体験始めたんですけど、昔の作品も結構色々配信されていて、Disney+開始までこのまま継続でも良いカモ…とか思ったり。今になって改めて観返したい作品が多い。

 ということで、毎週金曜は映画を観るワタシ、6月7日も映画館に赴きました。もう5日経ったけど。

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 『Aladdin』観ました。誰もが知るアレの実写化。

  “Arabian Night”『千夜一夜物語』の一節である『Aladdin』、ディズニーのアニメ映画で有名な作品の実写映画。アニメの方は観たことがない人はほぼいないと言っていいでしょう。観たことない人でも、ディズニーランドのアトラクションで覚えがあるというのが多そう。かくいうボクもアニメ映画よりもディズニーランドの方で覚えていた。

 今回実写映画を観るにあたって予習がてらアニメの方を観たんですけど、観始めると記憶の深奥に刻まれてるのが蘇ってきた。懐かしい思いをしつつ、今では出来なそうな表現がちらほらあって笑う。ジャスミンが気の違ったフリをしたり。ともあれ、アニメと実車を比較する準備もして観ました。

 帆船に揺られ、父が子に語って聞かせる物語。

 砂漠の王国アグラバーに住む青年アラジンは、猿のアブーと共にその貧しさから盗人をして暮らしていた。ある時、アラジンは市場で泥棒として責められている女性を助ける。王女の侍女を名乗る女性―正体はジャスミン王女とアラジンは惹かれ合う。一方、アグラバーの国務大臣ジャファーは魔法の洞窟の奥深くにある「魔法のランプ」を手に入れようとするが、洞窟は清らかな心を持つ「ダイヤの原石」しか中に入れようとしない。それに適う者として目をつけられたアラジンは魔法のランプを手に入れるも、ジャファーの策略により洞窟に閉じ込められてしまう。アブーの機転により手元に残った魔法のランプに触れていると、ランプから青い魔人ジーニーが現れた。

 大筋はアニメとほぼ同じ。しかしストーリーは当然実写向けに、現代向けに改変されている。というかストーリー性がかなり増してた。

 現代向けという点で言えば、ジャスミンがただ自由を求める女性ではなくて、どういう自由でありたいのか、何がしたいのかが具体的な人物になっている。誰よりもアグラバーの国民を愛し、彼らの為に何かするには自らが国王になるべきだと考えていて、それが求婚に来る王子たちを拒む理由にもなっている。自由を求めている=自由じゃないからアラジンとの恋に障害がある、という構造を超えているんですよね。おお、現代女性向けだあ、と思って観てたんですけど、最終的に王位を継いで自由を手にすることがアラジンと結ばれる結末に繋がるというのも理に適ってる。自ら王になろうという部分からも分かるようにとても行動的なヒロイン(しかもそれが物語の障害とはならない)なのも好きでした。

 アラジンとジャスミン以外のキャラクターの掘り下げが増えていたり、他のキャラクターに新しい物語が発生していたのも印象的。

 アラビアンナイトに持つ砂漠の印象に反して、大海に浮かぶ帆船から映画が始まるのですが、船を操っている男性がよく見ると(よく見なくても)ジーニー役のウィル・スミスなんですよね。ウィル・スミスが二人の子供と共に旅をしている、ここでアニメのラスト、自由になったジーニーが旅に出るシーンが頭に浮かぶ。この男性が子供に語る物語として『Aladdin』の物語が始まるのですが、劇中でジーニーはアラジンとの友情(この部分もアニメより見て明らかな親愛になっている)の他に、ジャスミンの侍女との恋が描写される。そして、アラジンの願いにより自由になったジーニーは侍女と共に旅に出ることを選ぶ。

 アニメのラストを見ていて、一人で旅に出てしまうジーニーがちょっと寂しく見えたんですよね。アラジンとは絆で結ばれたままだし、己の意思で動く自由がジーニーの望みではあるけれど。ある意味、自由になってもなお人を超越した者であることを意識したラストである。それが今回の映画では、自由になりたい≒人間になりたい、ととしていて、女性と恋をして自由になった暁にはより人間的な道を進む。こういう物語の発生のさせ方が上手かった。

 悪役のジャファーにも元盗人というアラジンと同じ境遇が設定されて、アラジンとの対比が発生していたり、より人間的な印象が増していたり(というか魔術師のような印象は薄かった)。

 ジャスミン役のナオミ・スコットが終始美人でした。ウィル・スミス演ずるジーニーは結構アニメの印象そのままの青い魔人になってる。

 それにしても、やっぱりミュージカル風の映画は楽しい。アニメで流れたあの有名な曲や、流れていない曲まで様々。登場人物たちの「何がしたいか」がはっきりしているのもあって、歌唱シーンで心情を示してその後しっかり物語が動くのが物語として良い。

 

 アニメ映画を直前に観たのもあって、かなりしっかり味わえたと思います。有名な作品の実写映画なだけあって、万人が楽しめる作品。

 

 ライオンキングも面白そうですね。ディズニーの『Dinosaur』も好き。