うーはここで色々かくつもり

しがない学生。二次元が理想過ぎて三次が見れない。作家になる為日々精進。

全ては気から【PSYCHO-PASS Sinners of the System Case.1 罪と罰・Case.2 First Guardian・感想】

 無気力…ではないのだけど、気力が行動に繋がらない、これって花粉のせいなのでしょうか?鼻のむず痒さが止まらない。花粉症というのはあらゆるものに過剰に反応するものでして、今は玉ねぎを炒めて出た匂いの中にいたのが頭痛や目の痛みという形で私を苦しめております。

 時勢の挨拶はさておき。

 映画という物はテレビ放映されていた番組の次なるステップでもあり、ドラマもアニメも、時にバラエティ番組も続編、完全版を映画という媒体で完成させるものが多い。映画館に通う習慣の無い人でも、そうした経路で劇場へと誘われることは多分にある。

 裏を返せば、そのようなプロセスで作られた映画作品の魅力をフルに鑑賞するためには、大元のテレビ番組を視聴していることが必要不可欠である。

 という訳で…というのだけが理由でも無いのだが、Netflixで二日かけてTVアニメ作品を観ました。

 「PSYCHO-PASS」、1期22話、2期11話で構成されるテレビシリーズ。計10時間を超えるアニメをぶっ通しで観ていることから察して頂けると思いますが、かなり夢中になって観てました。

 作中で殆どの価値観の物差しとなっている、人の精神状態を科学的に分析したデータ「PSYCHO-PASS」。その中でも犯罪者になる危険性を示す数値である「犯罪係数」。そして、この犯罪係数が基準値を超えた人間を執行するための拳銃「ドミネーター」。この3つは作品の中でも象徴的な要素であると同時にキャッチーなエッセンスであったようで、それほどアニメを観るようなタイプでない友人の間でも流行っていたのが印象的だった。なのにボクは観てなかったのだが。いや、なんで見なかったんだろう?

 ともあれ観た。そして、今日も映画館へ足を運びました。

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 「PSYCHO-PASS Sinners of the System Case.1 罪と罰」観ました。

 このSinners of the System(SS)は三作連続公開の映画作品で、1月にこのCase.1が上映開始。現在既にCase.2の上映が始まっています。テレビシリーズの方を急いで観たのは、そろそろ観ないとCase.1の上映が終わってしまうと思ったからですね。間に合って良かった。

 Case.1 罪と罰は、2期から監視官(刑事)となった霜月美佳と執行官・宜野座伸元をメインとした物語。

 霜月といえば、1期のラストに新人として出て来たと思ったら2期では主人公の常守に反発しまくるわ、大した活躍してないのに偉そうだわとあまり良い印象の無い登場人物で、1期の学園でのエピソードに登場していると知ってちょっと驚いた以外はやはり印象の悪い人物。とはいえそれは我々視聴者がどうしても主人公に寄った視点で物語を観賞しがちである(更に常守とシビュラの邂逅について知っている)からであって、監視官の姿勢としてはあながち普通な人間なんだろうなとも思っていた。

 だから、そんな彼女を物語のメインに据えるにあたって、霜月の名誉回復になるエピソードになるのかなと予想していたし、そうなれば「物語の構成要素としてよくわからない」彼女を少しでも理解できるかもしれないしと期待もしていた。

 2期からも分かる通り、霜月は彼女なりに持つ正義を頑なに固辞する人間である。その正義は「マニュアル通りの監視官」に基づくものであり、それにしがみつくようにして潜在犯を蔑視するし、不適格な同僚を排除しようとするし、時にその正義を盾に責任から逃れようとすらしてしまう。

 この「Case.1」はその正義がプラスに働いたエピソードであると言える。常守から潜在犯の護送、そして疑惑を含む厚生施設との接触を任された霜月は、事実上の部下である宜野座や六合塚の助けを受けながらその疑惑に迫っていく。粗削りながらも正義を胸に真相を暴く。

 まあ相変わらず良い性格してるけど、少なからず汚名返上していた気がする。

 でも、正直そんなことより語るべきはもう一人の主人公である宜野座だろう。

 元監視官として霜月をバックアップする姿、護衛対象となった少年を優し気な表情で励まし、そして身を挺して守る姿、大勢の潜在犯たちを一人で陽動し、その末に一人で六合塚を救出する姿、元執行官であるロジオンと相対し、義手を生かして肉薄する姿。いやこれ宜野座の回でしょ。

 特に武弥少年を励ます際、狡噛の話を挙げるシーン。表情がイケメンすぎる。

 あとはCV伊藤静すきなので、六合塚が捕らえられるシーンはドキドキした。

 とにかく宜野座が格好いい映画なので、霜月苦手…という諸君も是非観てほしい。

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休憩がてら昼食

 ここ数日間良い感じにPSYCHO-PASSの世界観に浸り、またこのSSは1時間の尺の作品でまだ元気だったので、そのままCase.2も観ることに。

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 ということで、「PSYCHO-PASS Sinners of the System Case.2 First Guardian」観ました。

 Case.2 First Guardianは、2期から執行官として登場する須郷徹平と1期に執行官として登場した征陸智己がメインの物語。本編ではこの2人が同時に登場することはなく、須郷が執行官になる以前のストーリーということに。

 というか、本編観る前に劇場でPSYCHO-PASS SSの予告を観ていたので、そこに征陸が出てくるもんだから殉職するとは思ってなかったんですけど…。1期観てて結構ショックだった。

 須郷は2期で刑事課二係の執行官として登場、その後監視官が空席となったため一係の執行官へ異動となる。本編でも執行官になる以前の経歴として軍事ドローンの研究施設職員だったことが明かされていたり、(CV東地宏樹も相まって)寡黙ながら誠実な男として描かれていた。更に強襲型ドミネーターを与えられてもいたけど、まさかこんなにスポットの当たる人物だったんですね。

 今作では須郷の過去、ドローン研究施設にいた以前の国防軍に所属する無人機のエースパイロット、通称「First Guardian」だった頃が描かれる。須郷も参加した国防軍の秘密作戦「フットスタンプ作戦」を契機に発生するテロ事件、その共謀の嫌疑をかけられた須郷は事件と公安局の捜査に巻き込まれる。

  そして、公安局から捜査に派遣されたのが執行官・征陸智己。久々にとっつぁん見れて嬉しい。そして父を失う以前なので宜野座はキリキリしている。

 テロ事件の容疑者として、「フットスタンプ作戦」でMIA認定、実質死亡したとされていた須郷の朋友・大友逸樹が手配されていると知り、須郷は国防省の中に陰謀を予感する。

 過去編ということでこのストーリーテイルのパートに本編主人公の常守は登場せず、須郷と大友、そして征陸の交流の描写に大部分を割いている。作中で語られる主要な人間関係がこの一作でほぼ完結している。シリーズ化している作品、更にその中で3部作を構成する中篇でありながら、語るべくを一作品内でしっかりと描ききっているのは偉い。本編では示唆すらされていない内容だけあって、特に須郷の心情描写は丁寧で、執行官としての須郷はどのように生まれたのか理解が深まる内容となっている。

 一シリーズの一部という以前に、一つの映画作品として大変面白いアニメだった。

 

 公開してまだ数日ということもあって、入場特典貰えました。

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 シリアスなストーリー、作り込まれた設定など見応えあるアニメシリーズ、ようやく観られました。今まで観ていなかったのが後悔…。

 Case.3が3月公開ということで今から楽しみ。でもその前に以前に公開されている劇場版をみないと。FODのみで配信ということでまだ観られてないのだ‥‥。狡噛主人公だし。