うーはここで色々かくつもり

しがない学生。二次元が理想過ぎて三次が見れない。作家になる為日々精進。

一から見る「カバネリ」【甲鉄城のカバネリ 海門決戦・感想】

 お久しぶりです。2週間ほど一から歌舞伎の勉強をするのに忙しくて、映画館行ったりここになにか書く余裕がなかったきんぱつびしょうじょ。わずかな暇を見つけて家で色々観たりはするようにしてたんですけど。それでも歌舞伎のアーカイブ凝視する時間が長くて。

 んで、ようやく忙し期間が終了したので枷が外れたように映画館に赴く。でも今回のは予習が必要な作品だったので、まずはそっちの方から。

 『甲鉄城のカバネリTVシリーズ全12話観ました。Amazon Primeで観られます。

 蒸気機関が発達した世界、極東の島国・日ノ本では、西洋から流入した生ける屍「カバネ」が蔓延していた。その中で、人々は駅を要塞化した駿城と、駅間を移動する装甲蒸気機関車に身を寄せ合って生きていた。

 蒸気鍛冶の少年・生駒は友人の逞生と共にカバネ研究を行っていた。ある時、生駒の住む顕金駅にカバネの群れが侵入する。カバネと対峙した生駒は、自ら発明したツラヌキ筒により遂にカバネを撃破するも、同時に噛まれてしまう。研究によりカバネがウイルスにより伝染するものと知っていた生駒は、自らの身体を機器に取り付ける。そして、カバネ化を食い止めた生駒は人でもカバネでもない、「カバネリ」となるのであった。

 ヒロインどこいった? 知らねえ。

 「スチームパンク」「ゾンビ」「ロードムービー」と要素が分かりやすい作品。蒸気機関車「甲鉄城」で行く先々のカバネと戦っていく。

 とにかく第1話の掴みが良い。メガネの肉体的には強くない少年がそれでも着実な準備と強い覚悟の下に、戦う手段を得る。1話からガッツリ盛り上げてガッツリ掴まれました。

 この生駒くん、最終話までずっとガッツの男で本当に応援したくなる主人公なんですよね。かつて犯した過ちを繰り返さない、自分を認めない人々を見返してやる、ヒロイン・無名との約束を守る、そのためにズタボロになりながらもカバネと戦い続ける。見れば見るほど生駒くんが好きになったんですけど、登場人物たちも同じだったようで、最初は人でない生駒を拒絶する甲鉄城の面々なのですが、次第信頼を受けていく。と共に甲鉄城の面々も魅力的になっていく。特に逞生や来栖といった男たち。

 終盤、ヒロインの無名をカバネリにして育てた天鳥美馬と対立するのですが、この人間同士で争う展開はどうもこのアニメの面白い部分と逸れる気が…。序盤から示唆されてた展開ではありましたしカバネも主な敵として出てきましたけど、最初に提示された問題放って他の事件、特に人間同士の戦いにシフトする話苦手なんですよね…。無名が美馬を慕って生駒と離れてしまうのも相まってしんどかった。眉目秀麗な男に騙されるヒロインって構図辛くないですか?

 そんな終盤でも、変わらず生駒くんはガッツを見せる。こんな展開だからこそ、生駒くん更に応援したくなったし、もっと好きになる。

 晴れてハッピーエンドとなった最終回、生駒を甲鉄城に送るシーンで思ったのですが…。

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第12話「甲鉄城」

 これファーストガンダムの最終話『脱出』オマージュだこれー!! いや絶対そうでしょこれ。そういえば荒木哲郎監督、Gレコで富野監督と仕事してたな…。

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機動戦士ガンダム 第43話「脱出」

 思えば、少年少女を乗り物(戦艦、甲鉄城)という閉鎖空間に閉じ込めて旅をさせる形式は所謂「富野方式」と呼ばれるものだし、序盤の途中で移動を止めるよう要求する一般人、ライバルキャラを慕うヒロインなど、ところどころにファーストガンダムみを感じる…。

 ということでファーストガンダム世代のおじさんたちにオススメしたい作品でした。

 

 さてそれでは本題。

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 『甲鉄城のカバネリ 海門決戦』観ました。

 天鳥美馬率いる狩方衆の反乱による日ノ本の中心・金剛郭の陥落は、日ノ本の統一を揺るがす事態を招いた。その中で金剛郭の動乱を生き延びた甲鉄城は、彼らの故郷・顕金駅を目指して旅を続けていた。そこで辿り着いたのが、カバネにより廃坑となった駅「海門」。現地で決起された連合軍との海門奪還作戦が決行されようとしていた。

 今回も例のごとく劇場版の予告を観て興味を持ったのでTVシリーズから観始めたスタイル。予告の段階ではヒロインかわいいなあとかアクション良さそうだなとか、そういう印象でした。

 今回はTVシリーズ中盤であったような、甲鉄城が訪れた地でのカバネの謎と対峙するストーリー。個人的にカバネリで一番面白いと思う形式の話を、本編後の甲鉄城の面々の関係性が出来上がった状態で観られるのが良かった。

 劇場版だけあってアクションが凄い。無名のアクロバティックで華麗な銃捌き、ガンカタはパワーアップしている上に、今回は生駒くんもガンガン動く。エンディングもめっちゃ動いてた。

 序盤、新キャラたちと生駒の不和もあってギスギスした雰囲気が続いていたのにちょっと不安になったのですが、こういう話を動かすのに使われがちな衝突にも設定的に一応説明をつけていたり、新キャラ、敵についてもどういう人物なのか短時間で細かに描写してみせてその結末まで見せたり、とにかく丁寧な物語だったのが好感。おじさん、家族のもとに帰れて良かったね…。

 来栖とか相変わらず魅力的な男たちが多い作品なのですが、今回は甲鉄城の制御から無名の援護まで巣刈の活躍が多かった。来栖はタジタジ。

 何よりカバネリで語るべくは、生駒くんですよ! 今回もやっぱり自分の使命、覚悟に燃えるガッツの男。カバネリという身故に、現地の人々はかつての甲鉄城の人々のように警戒し、隙あらば殺そうとする。それに憤りはすれど、言動の方向性は常に打倒カバネなのがやっぱ生駒くんすき。というか生駒が一番怒りを顕にしたのが自分への扱いじゃなくて、無名を危険に晒されたことなのが彼のキャラクターを端的に表してますね。狩方衆、美馬との戦いを経てかなり頼もしくなってて、いよいよ心身ともに成熟してきたなと。そんな生駒の姿に無名も好意を抱き始めてる、生駒は無名を守って人間に戻すという約束を大事にしている、こういう関係性ほんとに好きなんですよね。いいよね…。主人公はヒロインに対してあまり好き好きしないのがたまんねえ〜。

  このロードムービー形式ホントに好きなので、続編で日本一周とかしてくれたらずっと観るんだけどなあ。続きやってくんないかなー。

 映画館では5月23日まで上映ともうすぐ終わってしまうのですが、既にAmazon PrimeNetflixで配信されています。ボクは一度は映画館で観たかったので1日で12話観る強行軍を決行したのですが、是非TVシリーズの方から観てほしいですね! 特にファーストガンダムが好きな方に!

 映画館から帰宅後に細部を確認するためにNetflixでもう一度観たのですが、冒頭に知らないシーンが追加されてた。映画の方ではセリフで言及されてた場面だったんですけど。劇場版総集編に追加カットがあったらしいけど、総集編の配信はされていないのでそれがあの冒頭に流用されてるのカナ…? そもそも配信版は3話構成に編集されてるけど。

 ともあれ。まだまだ面白さの可能性が残る作品、アマプラで全部観られるからこんなところ見てないで早く観なさい!

 

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