うーはここで色々かくつもり

しがない学生。二次元が理想過ぎて三次が見れない。作家になる為日々精進。

戦記なのか、政治ドラマなのか【空母いぶき・感想】

 時間が出来てくると、今度は映画を観なくてはという強迫観念に襲われるきんぱつびしょうじょ。まあ、こうでもしないと興味のある分野以外の作品観なくなっちゃうので…。

 ということで、金曜日。例の如く映画館で映画を観ました。本日は若干炎上?っぽいこともあったあの作品。

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 『空母いぶき』観ました。『沈黙の戦艦』『ジパング』で知られる漫画家・かわぐちかいじ氏の作品『空母いぶき』の実写化映画。プラモ付きの原作漫画が売られているのを見たことがあります。

 20XX年、東アジアにおける領土問題は未だ緊迫したものであり、中でも軍事政権の治める東亜連合は民族主義の下で強硬な姿勢を見せていた。12月23日、沖ノ鳥島の西方450kmに位置する初島を国籍不明の武装集団が占領、海上保安官が人質となる。これに対し海上自衛隊は訓練航海中の、航空機艦載型護衛艦「いぶき」を旗艦とする第5護衛隊群に出動命令を発令。いぶきの艦長である秋津竜太1佐、日本国首相の垂水慶一郎、取材のためにいぶきの乗艦していた記者の本多裕子、多くの人々に戦後最大の危機が襲う。

 原作については読んではいないけどどういう作風か大体知っている程度、炎上についてもあまり調べていない感じでの感想なので悪しからず。話題になってたから観たのも2割くらい動機としてあるけど。

 まず映像については気合入ってて良かったなという印象。艦内のシーンや戦闘描写、官邸のシーンなどチープな感のある画は殆ど無くて、映画全体に見える硬派な雰囲気に貢献していたように思える。あ、でもミリタリ詳しくないんで正しい描写なのかはわかんない。

 シナリオに関してなんですけど、まずこの作品を戦記物として見るのはあまりおススメしないです。どちらかというと政治ドラマという色合いの方が強い。自衛目的の戦闘行為も外交行為と同じステージにあると考えれば確かに尤もな話なのですが、やはり戦記を期待して観る人が殆どでしょう。だって原作が戦記漫画なのだから…。

 戦闘描写が良さげだっただけにもっと戦記に寄った作品が観たかったし、政治ドラマにするならするでもっとハッキリ政治ものに寄せた方が面白かった気がする。政治ドラマとして描きたい物は別に悪くはなかったし。このどっちつかず感が目に付く。まあ原作が戦記漫画だから難しい話だけど。

 更に言えば、本筋に関係のない要らないシーンが多い。コンビニのシーン、有事に対する市民の様子を描くという点で一応意味はあるのだが、結構頻繁に挟まれるので戦闘や政治のシーンで出る緊迫感が削がれる。ラスト、ひいては今作のメッセージ性に繋がるメッセージカードのやりとりがあると言ってもちょっとクサすぎる。

 主役の西島秀俊がカッコよかったです。不敵で取り付く島のなくて、でも強い芯を隠し持っているところが良い男。あと初めて本田翼が美人だと思いました。こんなに凝視したのが初めてだったからか、大スクリーンで頻繁にアップの顔が映ったからだろうか。西島秀俊ファンと本田翼ファンにはお勧めできるかも?

 炎上してた件に触れますと、彼の演じる総理大臣、普通に善良でまともな人物だったので、役者本人も取り巻きもそんなに燃やすようなことだったのか疑問。まあその点で映画にマイナスがつくことはなかったです。

 最後にひとつ、良いなと思った点が「専守防衛たる自衛隊の本分を最初から最後まで貫き通したこと」です。自衛官も政治家も常にそれが規範にあったその一貫性は良い。それによって起きるラストの展開も、絵空事が過ぎるとはいえ一応の帰結にはなっている。

 

 まあ、やっぱり戦記もののスリルを保った結末が観たかったですけどね!

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買ってもらったプラモまだ積んでる…

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とある用事でこの辺に行った最近