うーはここで色々かくつもり

しがない学生。二次元が理想過ぎて三次が見れない。作家になる為日々精進。

舞台で変革するガンダム、その未来【舞台 機動戦士ガンダム00 破壊による再生 Re:Build(ライブビューイング)・感想】

 西暦2307年。地球の化石燃料は枯渇し、人類は新たなるエネルギー資源を太陽光発電に委ねた。半世紀近い計画の末、全長約50,000kmにも及ぶ3本の軌道エレベーターを中心とした、太陽光発電システムが完成する。半永久的なエネルギーを産み出すその巨大構造物建造の為、世界は大きく3つの国家群に集約された。米国を中心とした世界経済連合、通称「ユニオン」。中国、ロシア、インドを中心とした「人類革新連盟」。そして、新ヨーロッパ共同体「AEU」。軌道エレベーターはその巨大さから防衛が困難であり、構造上の観点から見ても酷く脆い建造物である。そんな危うい状況の中でも、各国家群は己の威信と繁栄の為、大いなるゼロサムゲームを続けていた。そう、24世紀になっても、人類は未だ一つになり切れずにいたのだ。

 そんな世界に対して、楔を打ち込む者たちが現れる。モビルスーツガンダムを有する私設武装組織「ソレスタルビーイング」。彼らは世界から紛争を失くす為、民族・国家・宗教を超越した作戦行動を展開していく。ソレスタルビーイングが世界に変革を誘発する。

 10年前、2007年に放送し、その後外伝やセカンドシーズン、劇場版と展開され、現代の延長線上にあるガンダムを描いた「機動戦士ガンダム00」。ガンダムが、ガンダムマイスターたちが約10年ぶりに舞台で帰ってきた――。

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 「舞台 機動戦士ガンダム00 破壊による再生 Re:Build」、そのライブビューイングを観てきました。

 ガンダムが、しかもあの00が舞台化、正直最初は何から何まで驚いた作品展開だったのですが、ガンダム00・10周年、そしてガンダム40周年に際した舞台化。

 ガンダム00の10周年に関してはアニバーサリーイベントも開催され、そこでは新規シナリオとなる劇場版後日譚、アニメの出演声優によってその朗読劇なども行われました。その時にも上演内容を聞いて急いでWebでのライブビューイングの視聴券を購入して鑑賞したのですが、その時にはまさか舞台の方も観るだなんて思ってなかった。

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パンフも事後通販で買いました。朗読劇のシナリオ付だったので

 更に周年記念のHG・00ガンダムの応募企画や…

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1万名にプレゼントだったはずなので割とハードル低かったのでは。

 10年分の公式イラストや設定画を掲載したアートワークスまで。

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版権絵がどれも懐かしすぎる

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 10年前の作品なのに公式の供給が凄まじすぎる。今の感覚で観ても全編通して絵が新しめで、10年も前の作品という実感があまり無いのだけど00。

 そしてこの2月から舞台の上演が始まったのですが、東京公演の評判が良かったのと何か新しい機体の登場があったと聞く。舞台で新しい「機体」?とも思って気になっていたら、気付けば翌週大阪公演大千穐楽のライブビューイングの席を取っていた。

 

 ということで感想書きます。

 まず初めに後悔したこと。観るの決意したの遅すぎた…。おかげで席が最前列で首は痛いしスクリーンは歪んで見えるし...。ホント、どうせガンダムは観るんだからすぐ買いに動けば良かった。次があれば、次は生で観に行く…。

 初めて2.5次元の作品を観ましたが、観ることなく自分がどこか偏見を抱いていたことを自覚した。アニメと生の人間は違うし...と。いや、実際違うのだけど、2.5次元2.5次元でこちらを圧倒する熱量や演者の汗、全身でそのキャラクターになるという気力が伝わって来て、ただただ圧巻だった。しかも楽しそう。大千穐楽だけあってノリノリだった。

 そう、皆台詞の言い方や発声の感じがアニメとそっくりだったのも驚きだった。ロックオンとか声も立ち振る舞いもほぼ本人じゃん。クールな大人でありながらテロを憎悪する熱い心も持っている、そのニールの姿がそのまま舞台にあった。あれは惚れますね。

 舞台という媒体で一層輝いていた人物でいえばコーラサワー。元々アニメでも不死身のコーラサワーとして愛されていたコメディリリーフでしたが、アニメ以上に愛されキャラ、カティにアタックしまくってて笑った。ちゃんとスペシャルで2千回で模擬戦だった。アドリブっぽいですね家族計画とか。

 モビルスーツ戦闘の表現方法凄いですね、よく思いついたなと思いました。コックピットを模した装置が舞台上に置かれるのはネットで見知っていましたが、まさかあれをグイングイン動かしてモビルスーツが動いているのを表現したり、近接戦のときはパイロットがビームサーベルやGNブレイドを振るってガンダム定番の鍔迫り合いを再現するなんて。その機体が何をやっているかを示すのにとても分かりやすいし、ガンダムに欠かせない「チャンバラ」も多分刹那の意識としてはあんな感じで圧し合ってる感覚なんだろうなという納得がある。射撃に関しても狙撃機のデュナメスは銃を模した専用のスコープがあるので、これは確かにそのまま表現に使えるんだな!という。実はガンダムって演劇向きだったのでは、とすら思えてくる。

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配布された資料。00ファーストシーズンの設定が大まかに記載。

 ストーリーとしてはファーストシーズンを元にしたもので、前半が三国合同演習までをダイジェストに近い形で。後半はチームトリニティ登場以降。そして物語は、舞台という場に於いて更なる変革を見せる。

 アニメ以上にサーシェス大暴れの物語だった。演劇という場では特に、ああいうわかりやすいロクデナシは動かしやすいんですかね。リボンズからガンダムスローネフィーアを与えられたサーシェスが物語における大敵として立ち塞がる。

 このガンダムスローネフィーア、チームトリニティが所有するガンダム、スローネの四型機でこれがボクを観劇に走らせた原因の一つなのですが、これがなかなか気になる部分の多い。ちなみにプログラムの購入が引換券制でダメだったのでちゃんと設定画を見られていない。まず劇中の演技から実体剣、GNファング、そしてGNランチャーを装備しているっぽい? そして何よりTRANS-AMシステムの実装。「赤いガンダム」との呼称があったのでフィーアが疑似太陽炉を搭載しているのはほぼ確実(というかフィーアのトランザム自体「TRANS-AM[T(タウ)]」と呼ばれていたし)。演劇という形式上、本編から改変された部分はところどころにありましたが、ここは設定的に気になる部分。スローネフィーアがリボンズの差し金の以上、舞台版ではファーストシーズンの時点でリボンズトランザムの解析を完了したということになる。

 物語上の都合としては、アニメとは違う、トランザムを得たCBに対抗できる強敵が必要だったということで理解できるけどね。ただ、00だしその辺り何か仕込んでるんじゃ…?と思わずにはいられない。

 とはいえ、フィーア登場時にトリニティに対してサーシェスが述べた「本来死ぬはずだったお前らを――」という台詞はアニメとは違う分岐路を進んだことを暗示する、ここから舞台独自の展開で行くという明らかなメタ演出としても解釈できるので、やっぱりフィーアはそのための舞台装置というのが第一なのかも?

 (4/20追記: この件に関して最後に追記しています。)

 とりあえず、今回も事後通販でパンフ買うね…。

 本当に、良い「ガンダム00」の1作品だった。最初のDAYBREAK’S BELLの演出からもう懐かしくてヤバかった。00観返したくなった。いや割と定期的に観てるけど。今だとバンダイチャンネルは勿論テレビシリーズはNetflixやHuluでも観られるぞ。劇場版も作画ヤバいので観ろ。

 ガンダム40周年ということで多くの作品が動いています。宇宙世紀シリーズは去年上映されたガンダムNT(虹の彼方のその先へ【機動戦士ガンダムNT・感想】 - うーはここで色々かくつもり、そして来年公開の「閃光のハサウェイ」と続くUC NexT 0100 PROJECT。鉄血のオルフェンズスマホアプリ「ウルズハント」。Gのレコンギスタは劇場版。ガンダムXの続編漫画は続いたりするのだろうか?どれも期待していますが、この00も更に先に続く舞台や続編アニメがあるといいなあ。グラハムガンダム見たすぎる。

 加えて、初2.5次元鑑賞をガンダムに捧げられたこともラッキーだった。2期もやりたいという話があったのでその際には東京公演行こう。

 2.5次元いいぞ。Fateも舞台の展開しているし、色々観てみよう。

 

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上演始まるまでパールル捕まえてました

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EXTRAシリーズ買ってそのままだ。やらないと

 (4/20 追記)

 パンフが届きました!

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 中身は設定や人物相関図、キャストやスタッフへのインタビューなどが記載。キャラデザの高河ゆん女史によるマイスターたちの画も掲載。

 本誌を購入した理由として「ガンダムスローネフィーア」のデザインが載っていると聞いたことがあるのですが、そこに気になる表記が。 既存のスローネ3機の予備パーツを利用し、サーシェス用にカスタマイズされた機体とあるのですが更に。

疑似太陽炉搭載機でありながらトランザムに類するシステム『トランザムタウ』を発動可能。

 トランザムに類するシステム…?ということはトランザムではないということ?

 なかなか際どい所に落としてきた…!設定に関する部分は今後更なる掘り下げがあることに期待しますね。ただ現状劇作的な観点で考えると、やはりインパクトを重視した舞台装置として新たに作り出された線が濃厚っぽい…?

 とりあえず「トランザムではない」としたら、2期があるとしても「トランザムによる優位と戦略」というCBの頼みの綱は健在かもですね。

瞳を観よ【Alita: Battle Angel・感想】

 新年になってから時間があるときはとにかく映画館に通うようにしているけれど、気になる映画が多くて早くも取りこぼしが出て来てしまっている2月中旬。アリー観ておくべきでした…。

 意識的に劇場に足を運ぶ様になってもう1年くらい経つのですが、嘗ては映画が始まるまでの暇な間、多少入場が遅れても猶予としてある時間だった映画予告の価値を感じることが多くなりました。

 観客になり得る人間にどういう映画か告知する映像だけあって、多くの場合その映画の一番面白い部分が詰まっていたり、その映画がどんな客層を想定しているかが分かるようになっている。とどのつまり予告が面白くない映画は本編も面白くな…かどうかはともかく、面白そうな映画を見つけるのにこれ以上の材料はなかなか無いと思います。映画館の音響効果で、普通に主題歌流れてるだけなのに面白そうに見えるみたいなこともある。

 この映画も一年前、劇場で予告を観てからずっと楽しみにしてました。

 この初期の予告が一番好き。

 BGMや背景色も独特ですが、何より主人公の大きな瞳に一目で惹かれた。ジャパニメーション的な絵の特徴でもあり、ある意味他の登場人物は一線を画す「機械」であることを象徴的に表すような目。しかもSFでサイバネティックな世界観。

 そしてあれから早一年。気付いたらもう公開日だったので行きました。f:id:you101611:20190223123511p:plain

 ということで「Alita: Battle Angel」観ました。
 この映画は漫画『銃夢』を原作としたRobert Rodriguez監督・James Cameron制作の映画。恥ずかしながら原作やアニメの方は未読…いずれ履修せねば。ジェームズ・キャメロンの映画といえば「Avatar」、こっちは観たことがあります。

 先にも述べた、大きな瞳の少女が主人公のアリータ(原作ではガリィ、アリタ)。サイバー医師のイドがクズ鉄の山から頭部を発見して修復された彼女は、記憶を失っていた。アリータはイドや夢見る青年ヒューゴと出会い、表情を豊かにしていく。

 300年前の「没落戦争」以来、彼女たちが暮らす世界は天空に浮かぶユートピア・ザレムとその陰に支配されるアイアンシティに別れていた。アイアンシティを蔓延る悪意あるサイボーグによってアリータが戦いを迫られたとき、アリータは失われた戦闘技術・機甲術と記憶の断片を露わにする。

 ストーリーの導入としてはこんな感じでしたが、原作が全9巻ある内容なのもあってか大スケールを解決するよりも主にアリータの成長、自己の確立に至るまでを描いていました。それと原作にも登場するモーターボール。球技と戦闘を兼ね合わせた展開がスピーディかつ濃密で格好よい。

 世界観故でしょうけど、アリータが思ってたよりヤンチャ。でもヤンチャするときの表情がイイ。

 アバターもですけど、亜人(サイボーグにこの表現を使うのは誤りですが)の女性ってなんでこう、イイんですかね。ボクだけですかね?凄い刺さる。

 サイボーグの話をすれば、アリータ以外のサイボーグも個性豊かで退廃した世界ならではのゴテゴテ感やそれぞれが持ち味とする特徴的なパーツによる攻撃方法があった。それらをアリータがどう切り抜けるかドキドキしながら観るのは、まさに体験する映画のそれだった。

 何よりもアリータの描き方が丁寧だと感じました。成長の描写、時にそれはボディの交換による等身や体格が女性らしく変わることでも表されていましたが、それ以上に表情の変化に見えていました。実際はボディを他のパーツに変えることはあっても、首より上は最初と同じもの。にも関わらず多くの人と出会い、多くの事を経験していくにつれて、アリータはむしろ顔に成長の具合が見て取れる。

 特にあの大きな眼。物語冒頭、目覚めたばかりで記憶もない彼女の眼はどこか不安げで、しかし目に映るもの一つ一つに対して興味の色を輝かせる。それがヒューゴと出会うことで思慕の様子を含むようになり、モーターボールや戦闘の場数を踏むにつれて自信に満ちた大きくも鋭い目をするようになる。そして、最終盤には多くのことを悟ったような大人の目つきを見せる。

 アリータが一部では賛否を呼ぶような大きな眼をしているのは、こういう描写の意図があったのかなと思いました。ぼくはあの眼好きなので、この表現めっちゃ好き。最後の目もすき。

 この映画を観る際には、是非アリータの「瞳」に注目して観てほしい。

 

(2/19追記)

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アリータいた。

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ダマスカスブレードもあった。

(ついきおわり)

 Huluでアバター配信してるのね。来年に続編公開が予定されてるっぽいので久々に観ようかな。

 

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るろ剣北海道編ホントるろ剣復活って感じですき。

全ては気から【PSYCHO-PASS Sinners of the System Case.1 罪と罰・Case.2 First Guardian・感想】

 無気力…ではないのだけど、気力が行動に繋がらない、これって花粉のせいなのでしょうか?鼻のむず痒さが止まらない。花粉症というのはあらゆるものに過剰に反応するものでして、今は玉ねぎを炒めて出た匂いの中にいたのが頭痛や目の痛みという形で私を苦しめております。

 時勢の挨拶はさておき。

 映画という物はテレビ放映されていた番組の次なるステップでもあり、ドラマもアニメも、時にバラエティ番組も続編、完全版を映画という媒体で完成させるものが多い。映画館に通う習慣の無い人でも、そうした経路で劇場へと誘われることは多分にある。

 裏を返せば、そのようなプロセスで作られた映画作品の魅力をフルに鑑賞するためには、大元のテレビ番組を視聴していることが必要不可欠である。

 という訳で…というのだけが理由でも無いのだが、Netflixで二日かけてTVアニメ作品を観ました。

 「PSYCHO-PASS」、1期22話、2期11話で構成されるテレビシリーズ。計10時間を超えるアニメをぶっ通しで観ていることから察して頂けると思いますが、かなり夢中になって観てました。

 作中で殆どの価値観の物差しとなっている、人の精神状態を科学的に分析したデータ「PSYCHO-PASS」。その中でも犯罪者になる危険性を示す数値である「犯罪係数」。そして、この犯罪係数が基準値を超えた人間を執行するための拳銃「ドミネーター」。この3つは作品の中でも象徴的な要素であると同時にキャッチーなエッセンスであったようで、それほどアニメを観るようなタイプでない友人の間でも流行っていたのが印象的だった。なのにボクは観てなかったのだが。いや、なんで見なかったんだろう?

 ともあれ観た。そして、今日も映画館へ足を運びました。

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 「PSYCHO-PASS Sinners of the System Case.1 罪と罰」観ました。

 このSinners of the System(SS)は三作連続公開の映画作品で、1月にこのCase.1が上映開始。現在既にCase.2の上映が始まっています。テレビシリーズの方を急いで観たのは、そろそろ観ないとCase.1の上映が終わってしまうと思ったからですね。間に合って良かった。

 Case.1 罪と罰は、2期から監視官(刑事)となった霜月美佳と執行官・宜野座伸元をメインとした物語。

 霜月といえば、1期のラストに新人として出て来たと思ったら2期では主人公の常守に反発しまくるわ、大した活躍してないのに偉そうだわとあまり良い印象の無い登場人物で、1期の学園でのエピソードに登場していると知ってちょっと驚いた以外はやはり印象の悪い人物。とはいえそれは我々視聴者がどうしても主人公に寄った視点で物語を観賞しがちである(更に常守とシビュラの邂逅について知っている)からであって、監視官の姿勢としてはあながち普通な人間なんだろうなとも思っていた。

 だから、そんな彼女を物語のメインに据えるにあたって、霜月の名誉回復になるエピソードになるのかなと予想していたし、そうなれば「物語の構成要素としてよくわからない」彼女を少しでも理解できるかもしれないしと期待もしていた。

 2期からも分かる通り、霜月は彼女なりに持つ正義を頑なに固辞する人間である。その正義は「マニュアル通りの監視官」に基づくものであり、それにしがみつくようにして潜在犯を蔑視するし、不適格な同僚を排除しようとするし、時にその正義を盾に責任から逃れようとすらしてしまう。

 この「Case.1」はその正義がプラスに働いたエピソードであると言える。常守から潜在犯の護送、そして疑惑を含む厚生施設との接触を任された霜月は、事実上の部下である宜野座や六合塚の助けを受けながらその疑惑に迫っていく。粗削りながらも正義を胸に真相を暴く。

 まあ相変わらず良い性格してるけど、少なからず汚名返上していた気がする。

 でも、正直そんなことより語るべきはもう一人の主人公である宜野座だろう。

 元監視官として霜月をバックアップする姿、護衛対象となった少年を優し気な表情で励まし、そして身を挺して守る姿、大勢の潜在犯たちを一人で陽動し、その末に一人で六合塚を救出する姿、元執行官であるロジオンと相対し、義手を生かして肉薄する姿。いやこれ宜野座の回でしょ。

 特に武弥少年を励ます際、狡噛の話を挙げるシーン。表情がイケメンすぎる。

 あとはCV伊藤静すきなので、六合塚が捕らえられるシーンはドキドキした。

 とにかく宜野座が格好いい映画なので、霜月苦手…という諸君も是非観てほしい。

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休憩がてら昼食

 ここ数日間良い感じにPSYCHO-PASSの世界観に浸り、またこのSSは1時間の尺の作品でまだ元気だったので、そのままCase.2も観ることに。

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 ということで、「PSYCHO-PASS Sinners of the System Case.2 First Guardian」観ました。

 Case.2 First Guardianは、2期から執行官として登場する須郷徹平と1期に執行官として登場した征陸智己がメインの物語。本編ではこの2人が同時に登場することはなく、須郷が執行官になる以前のストーリーということに。

 というか、本編観る前に劇場でPSYCHO-PASS SSの予告を観ていたので、そこに征陸が出てくるもんだから殉職するとは思ってなかったんですけど…。1期観てて結構ショックだった。

 須郷は2期で刑事課二係の執行官として登場、その後監視官が空席となったため一係の執行官へ異動となる。本編でも執行官になる以前の経歴として軍事ドローンの研究施設職員だったことが明かされていたり、(CV東地宏樹も相まって)寡黙ながら誠実な男として描かれていた。更に強襲型ドミネーターを与えられてもいたけど、まさかこんなにスポットの当たる人物だったんですね。

 今作では須郷の過去、ドローン研究施設にいた以前の国防軍に所属する無人機のエースパイロット、通称「First Guardian」だった頃が描かれる。須郷も参加した国防軍の秘密作戦「フットスタンプ作戦」を契機に発生するテロ事件、その共謀の嫌疑をかけられた須郷は事件と公安局の捜査に巻き込まれる。

  そして、公安局から捜査に派遣されたのが執行官・征陸智己。久々にとっつぁん見れて嬉しい。そして父を失う以前なので宜野座はキリキリしている。

 テロ事件の容疑者として、「フットスタンプ作戦」でMIA認定、実質死亡したとされていた須郷の朋友・大友逸樹が手配されていると知り、須郷は国防省の中に陰謀を予感する。

 過去編ということでこのストーリーテイルのパートに本編主人公の常守は登場せず、須郷と大友、そして征陸の交流の描写に大部分を割いている。作中で語られる主要な人間関係がこの一作でほぼ完結している。シリーズ化している作品、更にその中で3部作を構成する中篇でありながら、語るべくを一作品内でしっかりと描ききっているのは偉い。本編では示唆すらされていない内容だけあって、特に須郷の心情描写は丁寧で、執行官としての須郷はどのように生まれたのか理解が深まる内容となっている。

 一シリーズの一部という以前に、一つの映画作品として大変面白いアニメだった。

 

 公開してまだ数日ということもあって、入場特典貰えました。

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 シリアスなストーリー、作り込まれた設定など見応えあるアニメシリーズ、ようやく観られました。今まで観ていなかったのが後悔…。

 Case.3が3月公開ということで今から楽しみ。でもその前に以前に公開されている劇場版をみないと。FODのみで配信ということでまだ観られてないのだ‥‥。狡噛主人公だし。

mama【Bajrangi Bhaijaan(邦題: バジュランギおじさんと、小さな迷子)・感想】

 どうも、毎週金曜日は地元で映画を観る人です。

 観たい映画は山ほどあるのですが、地元でやってないなあ、シティーハンターは新宿で観たいしなあ、アリーも地元では終わっちゃったし...…ということで、今日は全くノーマークだった映画を観ました。

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 「Bajrangi Bhaijaan(邦題: バジュランギおじさんと、小さな迷子)」観ました。インドの映画で、インドでは2015年(⁉)公開、つまり4年越しで日本に渡ってきた映画なんですね。

 インド映画といえばバーフバリが記憶に新しいのですが、アレのおかげでこの映画も観る踏ん切りが付いた、というかインド映画だからこそ観てみようとなりました。バーフバリ、バイトで知り合ったネパール人の知人とも共通認識の話題として話せたりして、やっぱ凄い映画なんだなあとか思ったり。

 このバジュランギですが、隣り合い対立するインドとパキスタンが舞台。パキスタン人の少女・シャヒーダーは発話が不自由で、これを心配した母と共にインドの聖廟に参拝します。その帰り道、一人インドに取り残されてしまったシャヒーダーはインド人のパワン、愛称「バジュランギ」と出会います。超真面目で超お人好しなバジュランギは国籍も宗教も違うシャヒーダーとどう向き合うのか、そしてシャヒーダーは無事に家族の下へ戻れるのでしょうか、というお話。

 先にも述べた通り、インドとパキスタンの間には一筋縄ではいかない問題があります。そもそもインドの英国からの独立に際してインド亜大陸にはヒンドゥー教イスラーム教の二つの宗教勢力が存在しており、大まかにインドにはヒンドゥー教徒パキスタンにはムスリムが移動する形で分離独立しました。この二国間の国境地帯、カシミール地方では未だに衝突が起きています。

 インド人のバジュランギは敬虔なヒンドゥー教徒で、作中ではハヌマーン像やその御姿である猿に対して度々手を合わせたり、ハヌマーンやさらに高位の存在であるラーマに祈りを捧げます。彼の真面目さ、人の良さも信仰と無関係ではありません。

 一方でパキスタン人のシャヒーダーはムスリム。彼女もモスクで礼拝するし、菜食主義のヒンドゥー教徒とは異なりシャヒーダーは鶏肉を食べます。

 この宗教の違い、文化の違い、そして二国間の対立は二人の歩みを妨げます。

 ですがそこはインド映画!ちょっと暗い空気になってきた、不安な展開になってきたと思うと歌と踊りが始まりそのまま打開する!いや、この映画かなり真面目な映画で、歌が流れるシーンは多けれど荒唐無稽なミュージカルシーンは中盤までに1,2回ある程度。何よりバジュランギが良い奴で自然と良い人たちが助けになってくれるので、明るい気持ちで観られる。気付いたらバジュランギに同行して物語のメイン格に昇格していたジャーナリストのナワープも、実は優しくて、熱い情熱の持ち主だったし。

 というか、窮地への陥り方が時々しょうもなくてちょっとムズムズした(笑) なんで手錠盗むのすぐ? いくら子供とは言え、手癖が悪いのはちょっと…なまじシャヒーダー可愛目なので。

 笑いと感動で総合的に勝ち越して来る感じの映画でした。ちょくちょく起こるコミカルなアクションシーンには深夜3時にも関わらず笑いが出た。

 シャヒーダーの故郷に近付くにつれて背景もどんどん美しいものに変わっていき、別れの時が近くなっていく。危険を省みずに少女を家族へ返したバジュランギのためにインド人とパキスタン人が一丸となる最後には本当に感動した。ずっとバカみたいにバカ真面目を貫いたバジュランギが、それに報われる物語だったのが美しかったです。

 比較的我々日本人にも分かりやすい文脈の映画ですので是非。そして、隣り合う国々にほんの少しの「愛」があらんことを。

作中で一番好きなセルフィー(自撮り)の歌

映画未収録の本編後ミュージカルシーン

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けもフレ2、ラッキービーストのバリエーションが気になって観てる